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瀬戸内海経済レポート

“苦い”受賞が発奮材料に

瀬戸内海経済レポート受賞者・古川記者インタビュー

瀬戸内海経済レポート 編集部主任
安江 義男

 瀬戸内海経済レポートは、昨年度、相手の想いにフォーカスした記事を顕彰する「感謝の質向上」表彰を運用。岡山県北・津山の女性経営者が、著名な蘭学者を輩出した古里の誇りある歴史を発信したいと、クラフトコーラ事業を起こしたことを紹介する記事で、入社3年目の若手・古川竜聖記者が受賞しました。書き上げた段階から、しっかり想いを汲み取れている記事は、そうあるものではなく、編集部内での議論を通して「想い」が明確化できた結果生まれた記事。新年度がスタートして半年、古川記者が受賞をどう受け止め、どのように自身のレベルアップに生かしているのか、改めて聞きました。

―受賞した際の感想は。
取材相手から「わたしの想いをしっかり文字にしてくれた」と感激していただいたとき、記者という職業の面白さとともに責任の大きさを痛感した取材だったので、表彰していただいたことはうれしかったですね。ただ、誌面に掲載されたのは、先輩との議論や編集長のアドバイスの結果生まれた記事。商品紹介目線だった初稿とは大きく内容が異なり、自力で得た評価ではないという現実もあり、喜びよりむしろ「このレベルの記事を最初から書けるようになろうと奮起した」と言った方が正確かもしれません。

―奮起した結果、成果は上がっていますか。
一歩一歩成長できているとは思っていますが、取材を重ねるほど難しさを感じています。相手の想いを引き出そうと意識するようになりましたが、ニュースも取材対象も千差万別で、これが正解というものはなく、「引き出せた」「これは面白い」と思っても、文字にすると的外れで、もっと踏み込んで聞けばよかったと後悔することもしばしばです。また、話した通りの内容にこだわりすぎて、結果として想いが伝わりにくくなってしまうこともあり、まだまだ勉強が必要と感じています。

―レベルアップのために何が必要でしょうか。
自分に何が足りないか自覚し、意識を変えていきます。コミュニケーションスキルを高め、自分で分かっているつもりでも伝わる表現になっていないという傾向を改善し、社会情勢など周りの動きとも照らし合わせて適切な内容になっているのかなどをもっと意識し「木を見て森を見ず」な表現になっていないか、推こうのレベルを高めていきます。

「感謝の質向上」表彰リニューアル

瀬戸内海経済レポートでは、「感謝の質向上」表彰について、結果の評価に加え、より相手の想いにフォーカスした記事を記者1人ひとりが書けるよう、初稿段階で採点し、記者が互いに良かった点、悪かった点を議論する形に運用方法を変更しました。

記者の癖や、足りない部分を明らかにし、互いに高め合うためのもので、運用を始めてみると、指摘される内容は毎回共通することをはっきり自覚できるなど、スタート地点の課題の明確化という部分では、すでに結果が出始めています。

これを今後意識改革につなげ、「感謝の質向上」につなげていきます。

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