オハヨー乳業 広報チーム 野崎雅徳
(日本カバヤ・オハヨーホールディングス ブランディング戦略室 兼務)
2022年4月からスタートした「オハヨー表彰制度」。いいモノはいい!とされる社風・文化の醸成を目的とし、『私の約束』を体現する人を表彰する制度です。表彰対象は、オハヨー乳業の業務に従事されるすべての方々で、自薦/他薦は問いません。
現在の評価のポイントは主に3つ。『私の約束』を実践するうえで ①起点になった人、②いい影響を与えた人、③やり続けている人、です。そういった良い行動をしている方々を積極的に見つけ、称え合っています。
具体的には、オハヨー乳業全体を11チームに分けて推薦情報を収集。この際、推薦対象者はチームメンバーである必要はなく、他部署の方を推薦してもOKです。その中から、毎月20~30名程度をノミネート候補者として選出し、社内に発表しています。上半期(4月~9月)を振り返ってみると、この6ヶ月の間に2,500件以上の推薦が集まりました。しかも4月のスタート時と比較すると、毎月の推薦件数は増加傾向にあります。各自が業務を推進する中で、周りの人にも目が向くようになってきたと思います。
この活動のなかで、少しユニークな取り組みをしているのが「東部営業チーム」です。推薦件数もトップクラスの同チームですが、対象となるメンバーは、東京本社の東京支店・広域営業部・事業戦略室、関東支店(埼玉県上尾市)、東北支店(仙台市)、北海道合同支店(札幌市)と東日本全体に広がっています。そのような環境で、チームの気持ちを盛り上げていくために、どのような活動をしているのでしょうか?
そこで今回は、実際の取り組みについて、チームの活動を積極的に推進している東京支店の小宮さんにお話を伺いました。
―表彰制度のスタート時、どのようなことに留意して進めましたか?
小宮)推薦しやすい環境づくりですね。
始まったばかりの制度であり、かつ拠点の立地もバラバラなので、メンバーとチームの運営リーダーたちの間に親近感を醸成したいと考えました。
メンバーには、同僚の良いところをどんどん推薦してもらいたいと考えています。そこで、Webで入力する推薦フォーマットや匿名の投票ボックスの設置のような、かしこまったやり方ではなく、身近なメールを利用し、各リーダーに気軽に推薦してもらっています。
―メールを使うことに抵抗はなかったのでしょうか?
小宮)抵抗はありませんでした。
導入前は社内の他部門の取り組みも参考にしましたが、最終的には硬直的な制度にしたくない、忘れられず、常に情報が集まりよい環境づくりに貢献できるような状態にしたい、という思いがあり、身近なメールを選択しました。
東部営業チームは、各拠点の中核メンバーが運営リーダーを務めています。つまり、拠点内のスタッフにとっては身近な人であり、その人に向けて、普段から業務で多用しているメールを使って同僚の良いところを発信したり提案する、というスタイルは社員にとって親しみやすく良かったと思います。
―スタートから現在まで、大切にしてきたは何でしょう?
小宮)一番意識しているのは、メンバーの全員のモチベーションにつなげることです。表彰制度を通じて、一人ひとりのモチベーションアップにつなげることができれば、チーム全体も良くなると信じてやってきました。
私自身、色んな人に推薦していただき、「運営リーダーとして頑張っている」と評価されたときは嬉しかったですし、また身も引き締まる思いでしたね。
―半年たって、変化はありましたか?
小宮)表彰された人たちの行動が変わってきたと思います。
各自が以前から取り組んでいたことについて、表彰制度を通じて評価され、みんなも知るようになった。そうすると「自分の行動をみんなが見てくれている、間違ってなかったんだ、やって良かった」と感じられます。実際に、同僚からの評価によって自信をつけ、新しいチャレンジをして、その行動がまた評価されることで次のチャレンジにつながる、そんな若手社員もいるんですよ。
―それは良い変化ですね!
さて、オハヨーでは毎月、各チームのノミネート候補者を紹介するとき、推薦された方のお名前や推薦者のコメントだけでなく、その推薦理由を一言で表す「タイトル」をつけていますが、東京支店のネーミングはユニークです。
その狙いを教えていただけますか?
小宮)多くのチームは、推薦する際に「〇〇賞」といったタイトルをつけていますが、そこは工夫しました笑 これは表彰される人の特長をとらえ、顔を知らない人からも注目してもらうための工夫ですね。少しでも面白いな、気になるな、と思ってもらいたいですし、推薦された本人にも自分のことを見てくれる人がいる、理解者がいる、と感じてもらいたいと思っています。
ネーミングは、東部営業チームの運営リーダー全員で考えています。どんなタイトルをつけて皆さんに紹介するか? 毎月の会議で、一番時間がかかるポイントです笑
―直近数ヶ月分のタイトルをリストアップしてみました。本当にユニークなタイトルが多いですね。
小宮)堅苦しいネーミングより、馴染みやすいものにしよう、という方針です。
実際に、最初の社内発表後、支店内のあちこちで話題になっていました。ユニークなネーミングが、会話のきっかけになっています。幸いなことに「やめてほしい」という意見は全くありません。そう思われないように、その人らしいタイトルをつけるよう、運営チームで時間をかけて議論しています。この記事を読んで気になった方がいらっしゃったら、ぜひ本人や周囲のメンバーに話を聞いてみてください笑
―最後に、下期にむけて方針や意気込みをお聞かせください。
小宮)現在、集まった推薦理由をまとめ、定期的に東部営業チーム全体に発信し、フィードバックしています。これに加えて、下期は表彰された方に対して、どのように推薦されたのか?より詳しく共有し始めています。
自分が評価された理由を知ることや、自覚していなかった評価ポイントを知ることができれば、本人のやる気はさらに高まると思います。そして今よりもっと前向きに仕事に取り組んでいたことができれば、周りにも良い影響があると思います。
良い文化を醸成していくためにも、起点になる人を見つけて、その人の行動が周囲に影響を与えられるようにサポートする。そんな取り組みを続けていこうと考えています。