瀬戸内海経済レポートいいモノはいい!
広報担当 安江 義男
瀬戸内海経済レポートは、「感謝の質向上」表彰を通して、取材対象が本当に言いたいこと、伝えるべきポイントをしっかりとらえ、それを最も分かりやすく伝える記事を増やすことに取り組んでいます。しかし、言うは易し。頭では分かっているものの、実際に記事にすると、どうしても書き過ぎてしまうなどの悪癖が出て、分かりにくい記事になってしまうこともしばしばです。それを分かりやすく表した事例を紹介します。
週刊VISION岡山2月5日号に、おならに悩む人のために開発したパンツの記事を掲載しました。商品説明ではなく、自分の子どもの悩みを解消したいという動機にスポットを当て簡潔にまとめた、手本のような記事です。
しかし、この記事を踏まえて自身の記事を振り返ると、取材を通して伝えるべきことやポイントはとらえていても、それを伝えようという思いが強いあまり、本来「枕詞」であるべき説明が詳しくなり過ぎて、まるでそちらが記事の中心かと思われかねない“読み心地”の悪い記事になっていることを痛感させられます。
ポイントをとらえ、それを熱量を持って読者に伝えたいという思いは、方向性としては間違ってはいませんが、行き過ぎて読みにくくなってしまっては、自己満足でしかありません。読者に伝わる、共感してもらえるということが、大前提だからです。大学の経済原論の講義で学んだ、アルフレッド・マーシャルの「Cool Head,but Warm Heart」という言葉を思い出し、今の自分にとってまさに戒めとなる言葉だと思いました。
それでも、どうしても「この説明がないとニュアンスが伝わらないのではないか」と考えてしまい、編集長との「摩擦」を経て、完成に至るのがいつものパターン。長年身に着いた癖を矯正することは簡単ではないと、突き付けられています。人の文章のアラは、すぐに見つけられるのに、自分の文章を客観的に読むことがこれほど難しいものなのかと、自問自答の日々です。