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瀬戸内海経済レポート

伝えるべきモノは「見えているモノ」とは限らない

議論を通じて「本質」を導き出す

いいモノはいい!リーダー:大森昭伸

瀬戸内海経済レポートは、従来の取材・営業活動に加え、岡山県下の中小企業とのネットワークを生かし、広報支援や経営課題解決をサポートする「岡山の政財界をつなぐシンクタンク」を目指している。

その姿を目指す上で、「VISION岡山」というメディアを持つことが最大の強みであり、記事レベルの向上は欠くことのできないもの。そこで設けたのが「感謝の質向上」表彰だ。

「相手の話したこと」や「ニュースリリースの内容」にこだわるあまり、物事の本質より「詳しく書く」「正しく書く」意識が強くなりがち。この意識から脱却する象徴として掲げた言葉が「感謝の質」だ。

先日取材した「白桃石けん」で、開発者から「桃の成分には人が幸せを感じる成分が含まれる」という話を引き出し、「岡山=白桃」という意識しかなかった開発者に「幸福になる石けん」というコンセプトを提言し大いに感謝されたのだが、このように目には見えない「本質」を伝える記事を増やすため、編集部内で議論する「いいモノ会議」をスタートしている。

取材対象が本当に言いたいことは何か、伝えるべきポイントは何なのか、それを分かりやすく表現できているか―。あるべきアウトプットを目指し、アンチテーゼをぶつけ合い、ジンテーゼを導く作業はときに激しい議論になることもある。

徐々にではあるが成果が現れ始めた。岡山市内の建築会社が吉野杉で作った茶道具用の箱を企画・発売したという内容を、当初の商品紹介から議論を重ねて「木材に携わる人への恩返し」という趣旨の記事にまとめ感謝され、記事をきっかけに地元百貨店での取り扱いやセミナー講師の依頼にもつながった。

記事の質向上は一朝一夕にはいかない。「なぜ」を常に意識し、時には取材相手も気付いていない本質を追求する努力を積み重ねる以外に近道はない。この表彰制度を通じ、社内に意識の変革を起こすべく引き続き議論を重ねていきたい。

記事について議論

■設定した賞
「感謝の質向上」表彰
「失敗を恐れない新しい取り組み」表彰

■選定基準
「感謝の質向上」表彰
記事に対する感謝の中身に着目し、「本質を汲んでくれた」「気付きがあった」など、価値のある感謝を受けた記事を評価する
「失敗を恐れない新しい取り組み」表彰
取材業務に携わることのない従業員にも光が当たるよう、紙の使用量を減らす取り組みなどコスト削減や生産性向上につながる改革・改善事例を幅広く評価する

■運用アプローチ
「感謝の質向上」表彰
1. 真に相手が伝えたいこと、伝えるべきことを記事にできているかを議論し、良い記事を書くための着眼点、アプローチの仕方を共有することでレベルアップを図る
2. 感謝の内容を収集。年に1回大賞、努力賞を決める

「失敗を恐れない新しい取り組み」表彰
1.毎週木曜日の編集会議で情報収集・課題抽出し、必要であれば取り組みが実を結ぶようアドバイスする
2.自薦・他薦を問わず改革・改善事例を募集する
3.編集長中心の選考会で半期ごとの「大賞」「努力賞」を決める

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