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瀬戸内海経済レポート

目指すべき姿明確化できた1年

2022年度の総括と2023年度に向けて
「感謝の質向上表彰」
目指すべき姿明確化できた1年
記者の質向上へ取り組み継続

瀬戸内海経済レポート
安江 義男

22年度の成果

 ㈱瀬戸内海経済レポートが取り組んだのは「感謝の質向上表彰」。“取り組み”としたのは、記者の資質向上の取り組みとして有意義だったためだ。
 「詳しく書く」「正しく書く」意識が強くなりがちな課題を解消するため、取材対象が本当に言いたいこと、伝えるべきポイントをしっかりとらえ、それを最も分かりやすく伝える記事を増やすことが目的。その指標として、「掲載してくれてありがとう、たくさん書いてくれてありがとう」というありがちな感謝でなく、「わたしの伝えたかったことはこれ。想いを文字にしてくれた」などと感謝された記事を顕彰することにした。「いいモノはいい!」の取り組みを通じ、記事レベルの向上を図る試みだった。
 質の高い感謝を得られるよう常に問題意識を持ち、編集部を挙げて議論するというプロセスそのものが、記者1人ひとりの意識改革、全体の底上げにつながると手ごたえをつかみつつある。
 22年度に受賞した古川竜聖記者の岡山県北・津山市の女性経営者が薬草入りのクラフトコーラを開発したという記事も、最初の原稿では「商品紹介」に目が行きがちだったが、議論の結果「なぜこの商品を作ろうと思ったのか」「この商品を届けた先に、どういった夢を描いているのか」という点に着目。「蘭学者を何人も輩出した誇れる歴史を発信したい」という想いを主題にした記事に修正し、そのことが、「わたしの想いを文字にしてくれた」という感謝につながったものだった。「最も伝えたいこと」は取材を受ける本人も明確でないことが実は多く、そこを引き出し、うまく発信する―というところまでケアして「感謝の質」の高い記事は生まれるのである。

いいモノ追求の定着を目指す

 23年度もこの感謝の質向上表彰の取り組みを継続し、記者の質の向上につなげていく。さらに課題や気づきを自分の記事に落とし込めているかを確認できるよう、初稿段階で書くべきポイントをとらえているかチェックすることで、さらなるレベルアップにつなげていきたい。

【写真説明】感謝の質向上を目指す議論

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